夜寝ているとベッドと壁の隙間に現れるおばさん。成長するにつれてコレが”異様”だと感じ始め「もう来ないで!」→結果・・・

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睡眠時間になるとベッドと壁の隙間に現れ、顔の上半分だけ覗かせてくるおばさん。 物心がついてくると同時に、おばさんの存在が異様なものだと気づき始めた投稿者は、ある日拒絶するような言葉を言ってしまう。
しかしこのおばさん、実は───



怖くないかも知れないけれど、俺が3歳くらいの頃に体験した話ね。


夜寝ていると、いつもすき間におばさんが現れていた。壁に寄せ付けているベッドと壁の間に、真ん中分けした黒髪と鼻から上だけ覗かせてベッドの縁に両手をかける感じで、まあまあの頻度で現れていた。

怖いという概念が無かったのか、怖くなかったのかわからなかったけど、俺は特段驚きもせず、面白おかしく喋りかけたり、指の部分だけだけど、じゃんけんしたりして一緒に遊ぶように過ごしては、いつの間にか眠りにつくみたいなことを繰り返していた。


でも、少しずつ物事の分別が付く年頃になってきて、この存在が異様なものなんでは…?みたいなことを漠然と感じるようになって、怖いと思うようになったんだ。



ある日、とうとうそのおばさんが現れたとき「もう来ないで!」ってお願いしてしまった。

悲しそうに目線を落としたおばさんが、次の瞬間それまで隠れていた鼻から下をすべて曝け出して俺に近づいてきた。そして、俺をギュッっと抱きしめ頭を撫でながら「もうお母さんと会えなくなるね」と優しい声でそう呟いた後、何事もなく消え去った。

その時、今まで感じたことが無い心地よさを感じて俺はそのまま眠りについた。



翌日、母親にその時の話をし、あのおばさんは一体誰なのか、聞いた。
どうやら、俺の今の母親は本当の母親ではなく、実の母は病の身にあっていて、俺が生まれてからすぐに亡くなったという。

そして、俺がその事実を知った時、母親から実の母親の写真を初めて見せてもらった。その写真に映っていた女性顔はあの時俺が見たおばさんの顔だった。


俺はあのおばさんが実の母親だと確信した。同時に「来ないで」と言ってしまったことを後悔した。もう二度と会えないんだ、と。
でも、俺は会いたくて会いたくて仕方が無かった。もう一度会いたい。もう一度会えるかな?


俺は夜寝るときに何度も必死に

「お母さん。会いたいよ。あの時来ないでと言ってごめんねお母さん。お願いお母さん出てきて!」

と何度も涙を流し声を震わせながら呟いた。
しかし、出てこなかった。


その後、引っ越しするまで、俺は母が現れることを期待しながら懲りずに何度も何度も呼んだ。
でも現れなかった。



その後、月日が経ち、今や大学生。霊感に強く霊に詳しい教授にこの話をした。

どうやら、母がもう二度と現れないのは、成仏したからだという。そして、霊は基本的に、この世に生きる人間を羨み漂うのだという。だからこそ、この世の人間を恨み成仏できないでいるのだという。


しかし、教授が言うには、俺があの時放った「来ないで」という言葉。あれは、母にとって、最高の成仏なんだと。
あれだけ恐れあんなひどい事を言った俺を母があの時優しく抱きしめてくれたのは、自分の子供に言われたからこそ、もう自分はこの世に相応しい場所ではない。と悟り、潔くこの世から去る事ができたのだという。

つまり、俺があのとき勇気を出して「来ないで」と言えたからこそ、母は無事に成仏できたんだと。


それを知ってから、俺の心の中に蝕んでいた悩みはすべて消えた。



コメント

  1. 1
    名無しのオカルター:

    なんかすごくいい話だった。

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