【名作】彡(゚)(゚)「一兆リットルの薬?」

SS 0件
no image
281: 2019/09/19
彡(゚)(゚)「一兆リットルの薬?」

 

290:
彡(゚)(゚)「寒くなってきたなあ、空気も乾燥してきたし」

彡(゚)(゚)「風邪には気をつけんとな、ほっとレモンでも飲むか」

男「あのー、そこの方、ちょっとええですか」

彡(゚)(゚)「ん? なんや?」

彡(゚)(゚)「なんやこのおっさん、手にラッパ持ってるで……」

男「えーとですね、私、お薬を届けに来たんですけど」

男「これが、塗り薬なのか飲み薬なのか分からへんで」

彡(゚)(゚)「はあ、どんな薬なんや?」

男「まず量が一兆リットルほどあって」

彡(゚)(゚)「少なくとも飲み薬ちゃうな」

 

299:
男「おっと、自己紹介せなあきまへんな、私、セロガンといいます」

彡(゚)(゚)「ラッパ持ってるしな」

セロガン「? ええとですね、実は私、宇宙人ですねん、地球にお薬を届けに来ましたんや」

彡(゚)(゚)「……そ、そうなんや、へー……」

セロガン「……信じてまへんな?」

彡(゚)(゚)「いや信じるほうがおかしいやろ」

セロガン「ではラッパを」

セロガン「(ドの音)」

彡(゚)(゚)「えっ何や景色が歪んで」

ビュオン

彡(゚)(゚)「ほげ!? なんやここは!? 砂漠や!」 ギンギンギラギラ

 

305:
セロガン「サハラ砂漠ですな、このラッパの機能ですわ」

彡()()「うぐぐ、な、なんちゅう暑さや」 ギラギラ

彡(゚)(゚)「も、もう分かったから戻してくれ」

セロガン「(ドの音)」

ビュオン

彡(゚)(゚)「うお、も、元の道端や」

セロガン「太陽系の範囲ぐらいやったら、このラッパですぐに移動できますんや」

セロガン「ドは「どこにでも行ける」のドですな」

彡(゚)(゚)「さ、さすが宇宙人……なんかな?」

 

308:
彡(゚)(゚)「まあ宇宙人なことは分かったけど、何やったっけ、薬がどうとか」

セロガン「順を追って説明しますわ」

セロガン「だいぶ前にですな、あるお爺さんが旅行中に、地球のそばを通ったらしくて」

セロガン「そのとき「あっ、これはアカンわ、この星には薬がいるわ」と思ったらしいですわ」

彡(゚)(゚)「はあ、そのお爺さんも宇宙人なんやな」

セロガン「それ以来、そのお爺さんは100年に一度、地球に薬を送るように手配したそうです」

彡(゚)(゚)「めでたしめでたし」

セロガン「終わらんでくれますか」

 

313:
セロガン「ところが前回のお薬が、どうも手違いで、あまり効かへんかったそうなんです」

彡(゚)(゚)「そもそも薬が来てたとか聞いたことないけど……」

セロガン「まあ効かんかったってことで、その場合はこの薬を臨時で届けるようにと、そういう契約になってます」

彡(゚)(゚)「ふむふむ……」

彡(゚)(゚)「それで? 何が問題なんや?」

セロガン「いや、実はですな、いつも薬を届けてた業者が倒産しはりまして」

セロガン「ウチの会社が仕事を引き継いだんですが、元の担当者が雲隠れしてましてな」

セロガン「この薬、塗ったもんか飲ませたもんか分からんのですわ」

 

315:
彡(゚)(゚)「……そのお爺さんに連絡したらええんちゃう?」

セロガン「その人も少し前に死んでますんや」

セロガン「料金だけはずっと先までもらってます、それは引き継ぎましてん」

セロガン「それで、薬については地球の方に聞いたら分かるかなと」

彡(゚)(゚)「だから、そもそも薬とか知らんのや」

セロガン「でも100年おきに届いてたはずなんですが」

 

318:
彡(゚)(゚)「うーん、映画とかやと、アメリカの大統領がこっそり宇宙人と会ってたりするけど……」

彡(゚)(゚)「今やったらトランプやな。もしかして薬のこと知ってるかも」

セロガン「大統領ですな。ちょっとラッパの機能でネットにアクセスして……」

セロガン「ホワイトハウスにいるようですな」

セロガン「(ドの音)」

彡(゚)(゚)「えっ景色が」


ビュオン

 

322:
セロガン「知らんやったようですなあ」

彡(゚)(゚)「いきなりワープするのやめろや!! 撃たれたらどうすんねん!!」

セロガン「まあまあ、大統領に会えてトクしましたやろ」

セロガン「しかし困りましたわ、早いとこ配達を終えて帰りたいのに」

彡(゚)(゚)「ところで、薬はどこにあるんや?」

セロガン「一兆リットルありますからな、天王星のあたりに置いてますわ」

彡(゚)(゚)「わ、ワケわからん……」

セロガン「よかったら見に行ってみますか?」

彡(゚)(゚)「えっ」

彡(゚)(゚)「うーん、じゃあ一人じゃ不安やから、知り合いも呼んでええかな」

セロガン「どうぞどうぞ」

 

329:
(´・ω・`)「急に呼び出してどうしたの、いまホワイトハウスにテロリストが出たってニュース見てたのに」

彡(゚)(゚)「あ、それワイらや」

(´・ω・`)「?」

彡(゚)(゚)「こいつはワイの友人や」

彡(゚)(゚)「頭のいいやつで、フワっとした質問でもサクサク答えてくれる」

彡(゚)(゚)「どのぐらい頭がいいのかと言うと、ポケモンのタイプ相性を一日で覚えたほどで」

(´・ω・`)「誰に言ってるの?」

 

333:
こいついっつも原ちゃん紹介してんな

 

336:
セロガン「かくかくしかじか」

(´・ω・`)「……いや、あのですね、そんな大量の薬を運べるわけないし、宇宙人とか……」

彡(゚)(゚)「セロガン、ワープや」

セロガン「(ドの音)」


ビュオン


(´・ω・`)「うわ!? 何ここ」

彡(゚)(゚)「な、何やここ!? 宇宙や」

(´・ω・`)「なんでやきう君まで驚いてるの」

 

338:
セロガン「ここは地球から30億キロほどの場所ですな」

セロガン「天王星がすぐそこに見えますやろ、あの細いリングのある星です」

彡(゚)(゚)「おお、青白くて綺麗やな」

(´・ω・`)「でも宇宙空間なのに、普通に息ができるね」

彡(゚)(゚)「それもそうやな」

セロガン「このラッパでバリヤー張ってますからな」

セロガン「ファの音です、ファは「バリヤーのファ」ですな」

彡(゚)(゚)「2つめからすでに苦しい……」

 

344:
彡(゚)(゚)「それにしても、ちょっと薄暗いんやけど」

セロガン「ライトつけましょ」

セロガン「(ラの音)」

彡(゚)(゚)「お、光の玉が何個も飛び出して……」

彡(゚)(゚)「おお、なんやここ、足元が霜みたいに白いで」

(´・ω・`)「球体の氷みたいだね、小惑星かな」

セロガン「この氷の塊が薬です」

彡(゚)(゚)「えっ」

 

347:
セロガン「成分表によるとですな、この薬の成分はほぼすべて水です」

セロガン「量は一兆リットル、今は凍ってまして、表面は白く濁ってますな」

彡(゚)(゚)「でかいなあ、界王さまの星の何倍もあるで」

(´・ω・`)「ええと、一兆リットルの水の体積は10億立方メートル」

(´・ω・`)「ちょうど1立方キロメートルだね、半径はおよそ620メートルだよ」

(´・ω・`)「水量で言うと、日本最大級のダムの貯水量の1.5倍ぐらいかな」

彡(゚)(゚)「ビックリするぐらいピンとけえへん」

 

351:
セロガン「で、この薬ですが、どう使ったらええんですやろ」

彡(゚)(゚)「成分が水なんやろ? じゃあ水分補給ってことなんちゃう?」

彡(゚)(゚)「どうなんや? 地球って水が足らへんのか?」

(´・ω・`)「うーん、地球上にある水の総量は14億立方キロメートル」

(´・ω・`)「この氷の塊もすごい量だけど、地球をどうこうできる量じゃないよ」

彡(゚)(゚)「じゃあ塗り薬やろか、砂漠とかにぬりぬりと」

(´・ω・`)「砂漠にたまに洪水が起きるけど、それが薬のせい……ありそうな話だね」

(´・ω・`)「でも一過性すぎるよ、別に洪水で砂漠が緑化されるわけでもないし……」

セロガン「そうですなあ、このラッパでも、この量を砂漠に直接は運べませんし」

(´・ω・`)「運んだら被害が出るからやめてね」

 

352:
氷の塊で薬を…?

 

353:
あんまり量なくて草

 

355:
セロガン「困りましたわ、誰か薬のこと知ってる人おりませんかな」

彡(゚)(゚)「うーん、トランプも知らへんかったし……」

(´・ω・`)「意外と経済界で知られてたりしてね」

(´・ω・`)「トランプさんもお金持ちだけど、世界一じゃないし」

セロガン「じゃあ世界一のお金持ちって誰ですやろ?」

(´・ω・`)「えーと、たしか2018年はAmazonのジェフ・ベゾフ氏」

(´・ω・`)「でも実質的には、ロスチャイルド家のジェイコブ氏……」

彡(゚)(゚)「あ、そういうこと言うと」

(´・ω・`)「え?」

セロガン「(ドの音)」

 

356:
彡(゚)(゚)「だから急にワープするなや!! SPに撃たれたやんけ!!」

セロガン「まあまあ、ちゃんとバリヤーが間に合いましたやろ」

(´・ω・`)「び、びっくりした」

彡(゚)(゚)「せやけどジェイコブさんも知らへんかったなあ」

セロガン「困りましたなあ、もう落とすだけ落として帰ってええですか?」

彡(゚)(゚)「そんなことしたら隕石落下みたいになって、すごい被害出るやろ」

彡(゚)(゚)「…………」

彡(゚)(゚)「いや、それなんやろか」

(´・ω・`)「うん?」

 

357:
彡(゚)(゚)「定期的に隕石を落として、地球の生物を減らすのが目的……」

彡(゚)(゚)「そうや、人間こそが地球のガンやってことで、隕石と洪水でそれを滅ぼす……」

(´・ω・`)「それはないよ」

彡(゚)(゚)「なんでや?」

(´・ω・`)「だって水だもの、大気圏突入したら大半が蒸発しちゃうし」

(´・ω・`)「燃え残るとしても、水じゃ威力が足りない、本気でやるなら自動車ぐらいの鋼鉄で十分なのに」

彡(゚)(゚)「それもそうやな」

 

359:
セロガン「しゃあないですなあ、一度、会社に戻って前任者を探しましょか」

(´・ω・`)「それしかないかなあ」

セロガン「往復で一年と400日ぐらいかかりますんで、待っといてください」

(´・ω・`)「……ん?」

 

365:
(´・ω・`)「あの、そちらの一年は400日以上あるの?」

セロガン「はい、715日あります」

(´・ω・`)「一日の長さは……」

セロガン「19時間ですな」

彡(゚)(゚)「何の話や?」

(´・ω・`)「一年とか、一日の長さは住んでる星によって違うんだよ」

セロガン「いえ、私らの基準が宇宙標準です、そういえば地球はローカル暦でしたな」

(´・ω・`)「じゃあ100年おきっていうのも、実際は違うのかも」

彡(゚)(゚)「ほーん……よう分からへん」

 

373:
(´・ω・`)「そちらの100年って、こちらでは何年になるんでしょうか?」

セロガン「えーと……すんまへん、地球の感覚が分からんのですが」

セロガン「たぶん一秒の長さも違いますよってな」

(´・ω・`)「ええと……」

(´・ω・`)「そちらの一年で、セシウム原子の出す電磁波の波は何回起こりますか?」

セロガン「それやったら分かります、ラッパに計算させましょ」

セロガン「出ました、およそ22京回ですな」

彡(゚)(゚)「な、何の話や」

(´・ω・`)「原子時計の原理だよ」

 

377:
(´・ω・`)「なるほど、じゃあそちらの一年は、こちらの一年に対して4分の3と少し……」

(´・ω・`)「…………」

(´・ω・`)「4分の3と、少し……?」

(´・ω・`)「なるほど……。わかったよ、この薬の使い方が」

彡(゚)(゚)「おお、ほんまか」


セロガン「あれですな、謎はすべて…」

彡(゚)(゚)「なんでそんなん知ってんねん」

 

376:
原住民何者やねん

 

382:
どう考えても宇宙人よりおかしい原住民

 

383:
賢すぎやろ

 

393:
それに比べてやきうのアホさ

 

389:
-数日後-


彡(゚)(゚)「おおー、綺麗やなあ、夜空の半分以上が彗星やで」

(´・ω・`)「彗星が太陽に近づくと、太陽風によってチリが吹き散らされて、彗星の尾になるんだ」

(´・ω・`)「今回は太陽の近くで燃え尽きるぐらいの軌道で、しかも地球の近くに来るように落としたんだ」

(´・ω・`)「チリを一気に放出して、巨大な彗星になるんだよ」

 

395:
彡(゚)(゚)「それにしても、あの薬がハレー彗星の代わりやったとはなあ」

(´・ω・`)「ハレー彗星は76年に一度、太陽に近づくんだけど」

(´・ω・`)「前回、1986年に来た時は、地球から遠すぎて小さく見えたんだ」

(´・ω・`)「過去の記録によれば、全天の半分が彗星で埋まったとか」

(´・ω・`)「月よりも明るかったとか、いろいろな話が残ってるよ」

 

399:
彡(゚)(゚)「せやけど、なんで彗星が薬なんやろう」

(´・ω・`)「巨大なハレー彗星が現れるたびに、人間は混乱を起こしてきたけど」

(´・ω・`)「そのことで、宇宙に対する畏怖や信仰を抱いたとも言えるからね」

(´・ω・`)「知的生物の心に対して、薬のような効果がある……と考えたんじゃないかな」

彡(゚)(゚)「ほーん」

(´・ω・`)「仮定の話だけど、薬を手配したお爺さんの星では、もっと色々な天体ショーが起きてて」

(´・ω・`)「天体ショーの少ない地球を見て、何か提供したくなったのかもね」

彡(゚)(゚)「なるほどなあ」

 

400:
はえ~

 

402:
あかん空気なくなってまう
自転車のチューブ吸ったろ!

 

407:
>>402
ドラえもんで見た

 

419:
>>402
手塚治虫でみた

 

408:
彡(゚)(゚)「せやけどあの薬、いくらぐらいするんやろ」

(´・ω・`)「想像もつかないねえ、あのラッパの人の人件費もかかるし……」

彡(゚)(゚)「せやなあ……」

彡(゚)(゚)「……」



彡(゚)(゚)「いやホンマ、アレやな……」

(´・ω・`)「……」

彡(゚)(゚)「食えるもんくれたらええのに……」

(´・ω・`)「……うん」

 

417:
ここで腹空かすのぐうガ〇ジ

 

422:
宇宙人の気まぐれによって75年周期で太陽系をさまようことになったハレー彗星くん可哀想

 

451:
面白かった
誰もが表現者になったけどあまりに多すぎて埋もれてしまうってのはここにも通じるものがあるのかもな

 

引用元::http://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1568858689/



コメント

コメントする

コメントを残す

スポンサーリンク

長編「婚約者1人&彼女2人」

人気記事