【長野】「こんな夜中に従業員が来るわけない…」宿泊客が自分1人だけだった旅館での恐怖体験

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中学校を卒業後、ひとりで長野県の美ヶ原へとやってきた投稿者。吹雪のため目的地に着く前にバスを降ろされるハプニングはあったものの、何とか旅館へと辿り着く。しかし、その日の宿泊客は投稿者だけのようで───



もう随分前の事になるけど、中学を卒業した時、卒業記念に長野へ一人旅をした。まだ世間知らずで旅慣れない俺は、何故かその目的地に美ヶ原高原をえらんだ。

三月の美ヶ原だよ、確かスキー場はあるらしいが、中学生が三月に行っても楽しいところじゃない。
今考えると、どうしてそんな所を選んだのか、多分、名前に誘われたんじゃなかろうか。



その日、長野に着いたら雪だった。バスは走っていたけど、峠の辺りはもう、吹雪に近かった。
結局、バスはそれ以上進めなくなり、これならば歩いたほうが早い、という運転手の言葉に従って、おれは目的の旅館の少し手前のトンネルの中で降ろされた。

膝上まで雪につかりながら旅館を目指して歩いた。幸い、迷うほどの距離ではなく、俺は間もなく旅館に着いた(正確にはユースホテルね。)
あらかじめ予約をしていたので、すぐに部屋に通された。だが、館内は電気も点けられていず、どうやら、客は俺一人のようだ。


その晩、俺は食堂で、ポツンと一人で食事をした。
宿には従業員もいなかったようだ。フロントで対応してくれた伯父さんしかまだ人をみてない。

面白かったのは、風呂に行くと、一応大浴場みたいなのはあるのだが、その大きな浴槽に家庭用の小さなバスタブが据えてあり、そこに湯がはってある。
つまり、俺一人の為に、大きな浴槽に湯を満たすのは勿体無いというわけ。
同時に俺はこのまま一人で夜を過ごすのが不安になってもいた。


ユースは普通、自分で布団をひく。
9時くらいだったか、俺は寝る前に喉が渇いたと思い、ジュースを買いにフロントに下りていった。

が、誰もいない。真っ暗で、いくら呼んでも誰も出てこない。そういえば、裏手に従業員用の建物があったような気がする。
いかん、本当にこの建物の中に俺一人になってしまったようだ、はっきりいって怖いです。


寝れなかった、俺はテレビをつけっぱなしにして怖さを紛らすことにした。
たしか坂上次郎が出ている映画だった、たいしておもしろくもない映画だったが、いまは次郎だけが頼りだった。

が、しかし、12時を過ぎた辺り、本日の放送終了のテロップが出た後、画面は砂嵐となった。当時はそうだった、今のように24時間放送はしていない、まして地方ともなればチャンネル数も少ない。
俺は持参してきた携帯ラジオお取り出してチューニングを合わせた、山の上なので入らない。いかん、本格的に孤立したようだ。


電気は点けたままにして、とりあえず横になる。眠れない。外はまだ雪が降っているようで、雪が窓を叩く音がサラサラとしている。
ようやく、ウトウトとしてきた頃、部屋のドアをコンコンと叩く音がした。もう俺、気失いそう。こんな夜中に従業員が来るわけないだろう。

俺は絶対ドアを開けないことに決め、頭から布団をかぶっていた。
すると、しばらくして、またコンコンとドアを叩く。そんな事が三、四回続いた。


やがて、あきらめたのかドアを叩く音がしなくなった。おれは恐る恐る布団の中から顔を出した。
そして愕然となった。電灯が消えている。点けっぱなしにしてあったのに、切れたのか、豆球すらも点いてない。
俺は半身を起しては電灯のヒモに手を伸ばした。

その途端、ダン、ダン、ダン!とさっきよりも激しくドアが叩かれた。ドアノブがガチャガチャと回された。
そこで俺は気を失った。とても中学生の神経に耐えられる夜じゃなかった。


気がついた時は朝だった、
結局、今もって、あの音の主はわからなかった。あの時ドアを開けたら何を見ていたのか。

雪もやみ、その日は快晴だった、俺は朝飯も早々に、バス停に走っていった。



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