【不気味】話しかけても笑って立っているだけの女の子…ある日ついに「君は人間なの?」と聞いてしまった→結果…

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祖父母の家の庭で遊んでいる投稿主の側に突然現れた女の子。その後も何度か姿を見せるが、投稿主がいくら話しかけても何も話さず笑顔で立っているだけ。
しかしある日、少女の事を始めて「怖い」と感じる出来事が起こり───



 忘れられない記憶がある。小学生の時の話だ。
 我が家は毎年二回、田舎にある祖父母の家に帰省していた。別に誰かが特別行きたがっていた訳では無いが、一応孫の顔を見せに行っていたのだ。俺には兄弟がいなかったので、特に遊びようの無いその田舎があまり好きではなかった。



 あれは、小学一年生の時だと思う。庭で1人で遊んでいると、女の子が現れたのだ。とても綺麗な服を着ていて、にっこりと笑っている。おそらく同年代くらいの子で、庭にある腰くらいの高さの柵の向こうに立って、遊んでいる俺を見ていた。
 1人で遊ぶのにも飽きていたので、俺は迷わず声をかけた。

「一緒に、遊ぶ?」

 返事は無かった。俺はまた1人で遊び始め、気がつくと彼女はいなくなっていた。



 翌日、その日はあいにくの雨が降っており、俺は使われていない和室で図鑑を眺めていた。祖父母の家には何やら小難しい本がいっぱいあったのだが、その中で唯一子供でも楽しめそうな物は図鑑しかなかった。
 それにも飽きて縁側に腰掛けたままぼーっとしていると、また女の子が現れた。昨日と同じ様に柵の向こう側に立っていた。その次の日も、そのまた次の日も、その子は俺の前に現れた。今思えば、あれが俺の初恋なんだと思う。
 隣近所に家は無かったが、俺が遊んでいると必ず彼女は現れた。庭に入ってくる事も無く、俺に声をかける事も、俺の声に反応する事もなく、ただにっこりと笑ってそこに立っていた。

「遊ぼうよ」
「名前はなんていうの?」
「僕東京から来てるんだ」
「今はお母さん達お買い物に行ってるから、入っても大丈夫だよ」

 いくら声をかけてもピクリともせず、ニコニコと笑ってそこに立っていた。



 祖父母の家を離れる日が近づいてきたある日、理由は忘れたが俺は母親にこっぴどく叱られていた。1人泣きながら庭に駆け込み、辺り構わず八つ当たりをしまくっていた。そこら辺にあった石を地面に投げつけたり、枝を折ったりしながら大声を上げていると、例のごとく柵の向こうに立っている女の子が目に入った。今までと変わらない素敵な笑顔で、俺を眺めている。



 この時、初めてこの子を怖いと思った。こんなに泣いている、こんなに大声を上げている人を目の前にして、眉毛1つ動かさないその子に、一切の感情を感じなかったのである。気がつくと涙は止まり、じわじわと別の感情が湧き出していた。
 一歩、二歩と彼女に近づいていく。柵越しに彼女の目の前に立ち、俺は声をかけた。

「君は、誰?」



 返事はない。

「誰なの?」

 少し震えた声で聞いた。やはり返事はない。

「誰なんだよお」

 ほとんど半ベソだった気がする。彼女は初めて見た時と全く変わらない、驚くほど綺麗な笑顔で、俺の目の前にいる。

「ねえ」

 俺は耐えられなくなり、彼女の肩を掴んだ。

「……!」

 掴んだ肩のあまりの冷たさに、俺は思わず後ずさった。

「君は…人間なの…?」

 自分でも思わなかった言葉が口をついて出てきた。しかしそれは、目の前の存在に対して俺が持っている、最も大きな疑問だったのかもしれない。
 その時、いつもと変わらない、とても綺麗な、一点の曇りすらない笑顔を浮かべたまま、彼女は初めて口を開いた。

「お前に決めた」

 驚くほど美しい顔に似つかわしくない、老人のような声だった。


 その後、どのようにして部屋に戻ったのか、どのようにして母親に許しを請うたのか、よく思い出せないでいる。
 ただ、彼女はそれ以来、二度と俺の前には現れなかった。



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