【人怖】異臭が漂う商店街。畜産農家の廃棄物が原因と聞き見に行く事に→予想外の結末へ…

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時折、ボロボロの商店街に漂う異臭。
投稿主がよく通う居酒屋の女主人によると、家族経営の畜産農家が川に廃棄物を捨てている事が原因で、しかもその一家はかなりのトラブルメーカーであるという。
それに興味を持った投稿主は友人と共に農家の様子を見に行く事に。
そこで見たモノとは───



これは俺が大学に通ってた時の話
といってももう20年近く前か

大学入学後は飲みばかりで友人Aと俺は、しょっちゅう街まで酒を飲みに繰り出してた。
街と言っても地方の僻地にあるような町で、かろうじてアーケード街があるような所。アーケード自体は7時には消灯しちゃうし、夜は廃墟と言われても信じてしまうほどボロいアーケードだった。
そんな気持ち悪いアーケードでも一軒だけ深夜営業している居酒屋があったので 酒飲みのAと俺はもはや常連と化していた。
女主人が一人で切り盛りしている静かだが活気ある良い店だった。

居酒屋に通うようになってしばらく、妙な事に気づいた。
定休日でもないのに深夜営業の居酒屋が閉まってる事があったのだ。
そしてそんな時は必ずアーケード全体になんとも言えない異臭が漂っていた。なんと言えばいいのか・・腐敗臭なのか糞尿なのか下水からモワッと沸いてくるような神経に触る臭い。
特にその居酒屋付近は臭いがきつく、そんな日は必ず居酒屋は閉まっていた。


ある時、居酒屋の女主人に聞いてみた。
『時々アーケードが臭いときあるよね。あれは下水の関係?』
女主人は『不思議なのよ。あの臭いが出たら店も開けられないし困ってるのよ』と話はじめた。
女主人の話を要約するとこうだ。
この地域は水路も入りくんでいて、居酒屋の下にもちょうど水路が通ってるそうだ。
問題は川上にある畜産農家が動物の死骸や潰した豚牛の不要部分を川に捨てていることだそうだ。
しかも、その川が普段は水門で塞き止められている為、水が腐り悪臭を放つ。
そして水門が開かれると腐った汚水が下流に流れ出し居酒屋の地下を通る水路から悪臭を発生させている、とのことだった。
『不思議なのよ』とは言うがそこまで原因がはっきりしているならば警察や役所に抗議を出せばいいのにと言ったら
何度か女主人もアーケード街代表として近隣住民と共に行政に訴えたそうだが畜産農家のジジイとその家族がいわゆるキ○ガイで、少し収まってもすぐに同じ事を繰り返す問題人物なんだそうだ。


次の日、女主人から聞いた話を学食で話していた時、地元住人の先輩が
『その家族なら地元で有名だね。この大学からも近いよ。ジジイが元々カタギじゃなくて家族で経営してるらしいんだけど廃棄物バラまいたり近所と揉めたりトラブルメイカーだよ』と教えてくれた。
俺とAは大学からも近いという事を聞き、一度キ○ガイジジイとやらを見てみようかという話になった。

次の休日、俺とAは先輩に教えてもらった通りにキ○ガイジジイの小さな農場に来ていた。
ボロボロの木とトタンで出来た養豚場らしき納屋と畜産場があり、そのすぐ横には川というかデカい用水路があった。
『この用水路にジジイは死骸を捨ててるのか』
俺は怖いもの見たさで用水路を覗いてみた。
動物の死骸や臓物、糞尿でさぞかし悲惨な光景なのだろうと覚悟していたが、そんな事は無かった。
ゴミや泡も浮いてキレイとは言わないが、当時としてはごくごく普通の用水路、想像していた惨状は無かった。
なんだこんなもんかと思い帰ろうかとした時、さっと吹いた風に乗って強烈な悪臭が漂って来た。
吸った瞬間に嗚咽が出る、ガスも混じったような強烈な悪臭。
問題の川からでは無かった、ではどこからなのかと辺りを眺めたがすぐに分かった、なぜなら本来ならギーギーうるさいはずの養豚場が静かすぎるのだ・・。
もしかして、と思い俺とAは養豚場に近づき、既に確信は得ていたがトタンの隙間から養豚場の中を見た。

地獄だった・・。Aはかろうじて耐えたが俺はモロにゲロを吐いた。
養豚場の臭いも強烈だったが、トタンの隙間から見えた光景は酷すぎた。
まず、おびただしいハエの群れがそこらかしこに飛び回り、床に豚の死骸が散乱していた。小豚なのか親豚なのか原形を保たないほど腐敗し部分的には紫の液状と化して、その中をウジの大群が波打っていた。
一匹として生きている豚はいなかったと思う。
俺とAはあまりに気持ち悪い物を見てしまった後悔と共に、大学に戻る途中の交番で先ほど見た光景を警察官に伝えた。
『ジジイ家族が夜逃げしたんじゃなかろうか というのが警察の見解だった。ありそうな話だ。


それからしばらくして思わぬ展開になった。
ジジイ家族全員が家の中で白骨化した状態で発見されたのだ。死後既に3ヶ月は経っていたそうだ。
豚達は餌を与える飼育員を失い、弱いものから倒れ、死んだ仲間を食いながら延命しつつも最後には全滅したんだそうだ。


数日後、俺とAはまた居酒屋に来ていた。
その日は店も混んでいてジジイ家族が死んだという話は他の常連客の間でも話題になっており、ガヤガヤしていた。
『いやぁ~。驚いたねぇ心中かね?』
『あんな図太い家族が心中するかー?』
『しかし、こういっちゃなんだが水路に豚捨てる奴がいなくなって、今後はアーケードの悪臭も無くなるから嬉しいよな!な?女将さん』

女主人は『そうね~』とだけ相づちをうちながら忙しそうに仕事していた。

A『おばちゃん、焼酎おかわり! その話ですけど、家族が無くなったのは3ヶ月前なんだそうですよ。だから3ヶ月前には用水路にゴミを捨てる人はもういなかったはずなんですよ。なのに、先月も先々月も例の臭いが立ち込めてる時がありましたよね。なあ?』
Aに言われて俺も気がついた『あ~、確かにそうだなっ。そう考えると不思議』と言いかけた時、何かモヤモヤした。
ん?という感触、、なんだろう、、何か既視感を感じるような、得体の分からぬ恐怖を感じるような、、、背を向けて仕事していた女主人が振り返り、俺を見る。

俺は理解した・・

冷や汗が涌き出てくるのと同時に、むせ返るようなあの嫌な臭いがどこからともかく漂って来るのを感じた。



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