「怖い人がいる…みんな平気なの?」公園で宝探し中に泣き出した女の子が見たモノ

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子供会主催の「宝探しゲーム」に参加した私。
小学1~6年生の混合グループで公園内の鬱蒼とした林の中を歩いていると、
それまで大人しかった女の子が突然泣き出して───



A県の○○公園。広大な敷地と豊富な緑。
A県は私の出身地であるが、上京してはや数十年、最後にその公園を訪れたのは彼是ふた昔前にもなるだろう。
小学生の頃はかなり頻繁に足を運んだように思う。
バスなら20~30分、自転車でも1時間ちょっと、休日一日をつぶせば歩いて往復するさえ無理ではないという立地が大きかった。
園内には乗り物、見世物などの所謂「公園」らしい施設もあるにはあったが、売りは基本的には「広さ」と「自然」だったし、多分、今も、そうだろう。


私が小学校四年生くらいの頃。
「子ども会」と称する地域の小学生の集まりで、その公園でのオリエンテーリングが企画された。
オリエンテーリングという遊びが今でもしばしば行われているものかどうか知らないが、その当時、ちょっとだけ流行っていたように思う。
基本的には「宝捜しゲーム」である。
一定の区画の山野に、あらかじめ幾つかのポイントが設けられており、それを地図を頼りに辿り求めていくのである。
要は子どもに、「地図の読み方」を学ばせ、ついでに自然と親しませ、軽いハイキング程度の運動をさせることを眼目とするレクリエーションだ。
私を含む子供たちは、適当に幾つかのグループに分けられた。
各グループには6~1年の児童が混じるように按配されており、私の所属したそれは、6年生の男子をリーダーに、5年生が二人、4年生の私、あと2年生の女の子が一人といったような構成であったと思う。

さて、実際には6年生のリーダーの後を金魚の糞見たように残りのメンバーがぞろぞろとくっついて歩くだけの状態ではあったが、
そこそこ首尾よくポイントを巡り、残すところもわずかとなった頃。
所詮は整備された公園の区画内のこと、今にすればさしたる場所でもないはずではあったろうが、小学生には随分鬱蒼としたように感じられる林の中にて。
それまで大人しくグループの末尾にくっついて歩いていた2年生の女の子が、突如ワッと泣き出した。

驚いた私たちが、どうした、大丈夫か、と声をかけてもいやいやをするように激しく泣き喚くばかりで、しかし別段どこをどうしたという訳でもなさそうである。
ただひたすらにアーアーと泣き声を上げ、皆の手を引いてどこかへ行こうとするばかりで、
ついにリーダーを含め全員が「続行不能」の判断を下し、ゲームを放棄して集合場所に向かうこととなった。
林を抜けて丘を下り、次第に人影のちらほらするひらけた場所になってくると、疳のついたようなその子の泣き声もやや落ち着き始め、ヒクヒクとすすりあげつつも、話ができそうな様子になってきた。
「どうしたの?」「どっか痛いの?」
各々のかける言葉に顔を横に振って応えたその子は、じっと我々の顔を見て、言った。

「あの人、あの女の人。あんな怖い人いて。だれ?みんな、あの人知ってるの?どうしてみんな、平気なの?」

何のことか分からず、私たちは顔を見合わせあうばかりであったが、結局のところその子以外、誰一人として「女の人」を見た者はおらず、皆、(疲れた彼女が適当に理由をつけて愚図り、山歩きを切り上げさせたのだろう)くらいに思っていた。
勿論、私たちのグループは、失格であった。


数日後の朝。朝食を摂りながら父親が新聞に目を通していた。
「おい、お前、こないだ、○○公園に行っただろ?」
「うん」
「あそこな」
「うん?」

「死体が埋まってたんだってよ」

子供を怖がらせて喜ぶ悪癖の持ち主がにやにやしながら言葉をついだ。
父親の手の新聞を覗き込むようにして目を通したところによれば、かの公園から、女性の他殺体が発見されたという。
死体は、土中に埋められていたそうだ。
そして、そのおおよその発見場所を示した地図によると、それはまさしく、「あの」辺りだったのである。
あの子は、「それ」を見てしまったのか?
―でも、埋められていたはず。

あの子が会ったの、誰?



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