これが俺の不思議体験ベスト4

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父親の他界後、いくつかの不思議な体験をしたという語り主。
父も母も、それぞれ違う形で彼を見守っている。
そのことを感じさせられるお話。



古いやつから話す
誰か聞いてくれ

先に知っといて欲しいこと
・父親が他界してること
・母親が彼ら?のお話が聞こえる人
これは共通の話なんで知っといてくれ


一つ目

俺が小学校4年生の正月最後の日に、父親が死んだ
くも膜下出血で、発症から6時間も経たないうちに逝っちまったんだ
母親は放心状態、一族はてんやわんやで、
俺は何が起きたのかも分からずただ泣いて過ごしてた
火葬が終わって、昼も夜も号泣し続ける母親、と1ヶ月くらい一緒に寝た

それで丁度1ヶ月くらいたった日の夜に、
いつものように母親に抱かれながら寝てたんだけど
急に母親がガバッと起きたんだ。
俺もびっくりして起きて、母親の方を見てた。

そしたらさ、俺の顔に水滴みたいなのが落ちてきて、それを見た母親が急に泣き出した。
んで話を聞くとさ、「おとうさんが俺を上から見下ろして泣いてた。」って言った。
それを聞いて俺もまた泣いたのを覚えてる。
その日は泣きながら寝て、
朝起きたら俺の枕元の畳にも大量の水滴の跡があったが、原因は分からない。


二つ目

これも顔を見てないから断定は出来ないが、多分父親だと思われる。
父親が死んでから、俺は医者を志して猛勉強を始めた。
結局ならなかったが。
母親にお願いして塾に通わせてもらって、毎晩遅くまで残って勉強してたな。
ただ当時ヒョロガリ運動音痴の俺は、長い帰り道をチャリで帰るのが嫌で嫌で仕方なかった。

そこで俺はある日、ここだけは絶対に通るなって母親に言われてた近道を通って帰ろうとしたんだ。
大人って子供に細かい理由を言わないからさ、俺は何も考えずにその道をチャリで走ってた。
そしたら、電柱の影に、何かいたんだ。
真っ白いもやみたいで、絵に描くと煙みたいな奴だったが、何故かそいつがこっちを見てるのを感じた。
しかもそいつ、目をそらすと真横にいるんだが、電柱の方を見るとやっぱりそこにいた。
俺は震えて動けなくて、でもあることを思いついたんだ。
車かバイクが通ったら後ろについて、爆こぎで付いて行こう、
それなら逃げ切れるかもって。

そして運良く、すぐに原付が来た。
俺は急いでペダルを漕ぎだして、煙のやつの真横をバイクについて通った。
煙からはやっぱり視線を感じたけど、夢中で漕いでバイクを追いかけた。
そしたらさ、煙のやつ電柱間を移動して追ってきたんだ。
次の電柱にも、その次の電柱にもそいつはいた。
俺は余裕でしょんべんを漏らしながらチャリを漕いだ。
それで半分くらい帰ったとき、俺はもう一つ気づいたことがあったんだ。

「この原付、俺のペースに合わせて走ってる気がする」って思った。

ただの自意識過剰かも知れないけど、当時は本当にそう思ったんだ。
そして俺は、このライダーもしかして父親では?って疑問が浮かんできた。
乗ってる原付、着てる服、ヘルメット、全部父親にそっくりで、ミラーも見てないのに俺との距離を一定に保ち続けてくれてた気がした。
俺は途中から煙のことより、ライダーの方が気になってた。
同時にもし、もし父親なら、顔を見せてくれるんじゃないかって期待も膨らんでた。

もう逃げてるのか追ってるのか分からなくなってたけど、とにかく全力で漕いだ。
でも原付との距離は全く縮まらなくて、だけど決して遠ざかりもしなかった。
そうこうしてるうちに、俺んちの方に行く曲がり角を原付が曲がった。
俺はやっぱり父親だ!導いてくれたんだ!って思って、曲がり角を曲がった。
でも原付はいなかった。
煙のやつもいつのまにか撒いていた。
それ以来、その原付は2度と見てない。

ちなみに嘘っぽいと思うだろうけど、煙のやつと再戦してるんだ。
それが次の話。


三つ目

中学二年生になった俺に、初めて彼女ができた。
嬉しいのとかっこつけたいので、遅くなるまでその子の家の近くの公園まで行って話してた。
その日もそうで、いつもよりちょっとだけ遅くにバイバイして、いつもの道を帰ってたんだ。

そしたら、原付事件の時以来会ってなかった煙のやつが、電柱の影にいたんだ
でもそいつは前と違って、白いもやのなかに赤いものが見えた。
俺はその時は、そいつの目じゃないかと思った。
それと前と違って、俺の方を見てるのがはっきり分かったんだ。
赤い玉が2つともこっちを向いてたから。

俺は動けなかった。
それも前と違って、恐怖じゃない何かのせいで動けないのを感じた。
ゆっくり電柱の影から出てこようとするそいつを、ただ見てるだけだった。
その時、何故かは分からないけど、不思議な気持ちになったんだ。
すごく悲しい気持ちだった。
説明が難しいんだけど、俺のものじゃない恐怖と、ものすごい憎悪が俺の中に入ってくる感じだった。
俺を取り込もうとしたのかもしれないが、その道の人間じゃないから分からない。

いよいよダメかもって思い始めた時、携帯が鳴った。
母親からだった。

不思議と電話には出られた。
母親は何も言ってないのに「俺くん、今さみしい気持ちになってない?」と聞いた。
俺は「うん」て答えた。
「そうだよね。怖がらずに目を瞑ってバイバイしてごらん?」って言われて、俺はちょっと正気に戻った。
んで、言われた通りにした。

目を開けると、煙のやつはいなくなってた。
走って帰って、母親にありのままに話そうとしたけど、何故か全部知ってて抱きしめられた。
それから現在に至るまで、そいつに一度も会うことはなかった。


最後

これはつい最近のあんまり怖くない話。
中学二年生以来ヤバくない不思議体験はあったものの、危ない目には合わなかった。
一昨年、うちの猫さんが逝った。
猫エイズ、腎不全、乳癌のトリプルコンボだった。
火葬もして、父親の墓に挨拶に行ったんだ。
「そっちで可愛がってよ」って。

その日の夜、ベッドで寝てると、部屋のドアが開く音がした。
猫さんが出入りできるように、ガチャってしめないようにする習慣があったんだけど、俺は風だろと思って無視して寝た。

朝起きると、俺の枕元に、猫さんのお気に入りの猫じゃらしが置いてあったんだ。
おもちゃも一緒に火葬したはずなのにな。
それは父親の仏壇に供えて、今でもうちにとってある。
きっと父親が可愛がってくれてると思う。

とりあえずここまでにします。
聞いてくれてありがとう。
細かいの合わせればまだまだあるけど
また今度機会があればということで。

あと通っちゃダメって言われたら通っちゃダメだぞ。



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