晴れの日に傘を差し全身真っ黒な…

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深夜の墓地で話し声を聞いた俺。
声のする方へ行ってみると、そこには1匹の猫。
ただ、近くにいたのは猫だけではなく───



今年の夏に体験した話。
深夜、コンビニから帰宅する道中、
外灯が全くない田圃道を自転車で走ってた。
この一直線の田圃道には半ばくらいに墓地があり、
墓地前を通り過ぎようとした時、声が聞こえて反射的に停止した。
なにやら性別も内容もわからない人の声が、墓地の中から聞こえる。
 
無性に気になった俺は、
道の前後を見て車がこないのを確認して自転車を停めた。
墓地には明かりがないので、音を立てないように転ばないように、
慎重に入って行き、声がする方へ覗き見た。
 
そこには猫がいた。
猫が1匹、墓の前で座っていた。
話し声は確かに猫の方から聞こえていた。

急に寒気を感じ、直ぐに自転車の所へ戻ろうと振り返ると、
墓地の前、田圃道に誰かが立っていた。
雨が降っていないのに傘を差した、傘含め全身真っ黒で長身の人。

墓地に入る前に田圃道の前後を確認したし、
墓地に入ってから3分も経っていない。
どこからともなく湧いたそれを見て硬直したが、
背後から猫の鳴き声がしたのを機に、
とにかく墓地を出て、黒い人を見ないようにして、
自転車に乗って猛スピードで帰宅した。
なんやかんや寝た。
   
そして、金縛り。
部屋を反響するような女性の甲高い笑い声と、
猫の鳴き声、異様な物音に頭の中が掻き回された。
  
あの日以来、なるべく深夜にあの田圃道を通らないようにしている。
金縛りはあの晩以来一度もないが、
猫の鳴き声だけは、深夜になると毎日聞こえる。
窓の近くで、同じ方向から同じ音程で長時間鳴いている。
その度に金縛りの時のことを思い出すし、ほんのり怖い。



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